日経平均株価(日本の株式市場の代表指標)やダウ平均株価(アメリカの株式市場の代表指標)が直近一か月では10%以上も下がっています。
今回の株価低迷の原因はまさに新型コロナウイルスの流行による経済の低迷によるものです。
漠然とは理解しているけれど、新型コロナウイルスが原因で株価が下がるメカニズムはどのようなものなのでしょうか。
また、今回のコロナショックによって加速するデフレの影響についても書いていきます。


株価低迷の原因
コロナウイルスが蔓延したことによって株価が低迷したとよく言われますが、その細かな要因はいくつかに分けることができます。
このような株価の仕組みを理解しておけば、ある経済事象が株価に与える影響を事前に予測することもある程度可能になると思います。
株価算定の方法
皆さんご存じのように、株価というものはその株式の人気度によって価値が左右されます。
需要の大きさによってモノの値段が変わるというのはほとんどの商品に共通して言えることで、これは株価においてもそうです(みんなが欲しいダイアモンドは高い)。
今回のコロナウイルスの影響によって、ある中国の武漢にある企業が1週間操業を停止した場合はどうなるでしょうか。
株主(その工場の株式を持っている人)からすれば、操業の停止というものは一週間であってもかなり痛手であり、その期の業績は他の企業と比べて大幅に下落することが予測されます。
業績が悪化するということは、その期の利益も少なくなるわけですから、自分がもらえる配当金も減少することが見込まれますね。
そうすると、その企業の株主は自分が持っている株式を急いで売りに出してしまいます。
なぜかというと、先述の通り株式の価値というものは需要によって決まるわけですから、他の株主が自分より先に売ることによってその株式の価値が下がり、自分が売るときには高く売れないという状況を避けたいからです。
そうしたそう状況下で急速に株式が売り払われた結果、その企業の株価は下がる(人気がなくなったということ)のです。
連鎖する株価の下落
通常、企業は一社だけで活動することはありません。
ある程度規模が大きくなると、その会社は子会社を作ったり、関連会社と業務提携したりして活動を行います。
先の項では企業が一週間業務を停止した場合の株価への影響を書きましたが、そうして株価が下がった場合にはその影響は一社だけにとどまりません。
株価や業績が下がった企業と密な関係にある企業の株主はどう思うでしょうか。
あの企業が操業一時停止してしまったらうちの企業も作業ができないじゃないかということになれば、その企業の業績までも下がってしまうことになります。
そうなれば先に述べたような流れでその企業の株価も下がってしまうわけですね。
そしたらその企業と関係の深い企業も、、、、といった無限ループがあちこちで起きた結果が今の株価下落の原因の一つです。
日本の企業も中国に工場を持っているケースはかなり多いですからね。
このようなメカニズムを理解しておけば、今後の経済事象が株価に与える影響を予測するのも容易になるのではないでしょうか。
強制売却による株価下落の加速
先述のメカニズムで株価は下がる(多くの人が売ってしまうと株価が下落する)のですが、株式市場では他の要因も絡んでいます。
今回のコロナウイルスの影響による株価の下落を予測できずに株式を売らなかった人も、株価の下落の一つの原因になっているとも言えます。
具体的には、株式市場の運用ルールによるものです。
ロスカット(多大な損失を抑えるためにある程度株価が下落したら自動的に売却すること)の売り、CTA(商品投資顧問業者)のトレンドフォローの売り、リスク・パリティ(ポートフォリオの各資産のリスクを均等にする投資手法)のポジション調整、アルゴリズムのプログラム売りなどの、機械による「機械的な」売りが行われ、それが株価の下落を加速させているのです。
上と合わせたこれら3つの要因によって、現在のコロナショックが起きています。
株価下落はなぜ悪いのか
株価が下落すると、企業は安い値段で株式を売らなければなりません。
となると、株式を売却することによって得られる資金というのも少なくなってしまいます。
その結果企業では資金不足が生じ、新しいプロジェクトへの参入や業績改善などを含め、色んなことが困難になってしまいます。
その結果企業の利益は減少し、国に入る法人税も少なくなってしまう(法人税は企業の利益によって算定されるから)。
国の税収が減少すると、公共財やインフラの整備に手が回らなくなるので、国がどんどん住みづらくなってしまいます。
国民の生活を守るためには税金が不可欠なのです。
加速するデフレ
コロナウイルスの影響によるインバウンド(外国人観光客)の減少、個人消費の減少によって、デフレも加速しています。
デフレがこのまま続くと、どのような未来になるのでしょうか。
理論上のデフレ
皆さんが中学や高校の教科書で学ぶようなデフレのメカニズムは、物が売れない→モノの値段を下げる→売れる(最初に戻る)というのを繰り返し、企業が利益を出せなくなることです(利益=価格-原価)。
逆にインフレではモノの値段が上がって、紙幣でお尻を拭くみたいなエピソードが載ってましたね(笑)
今回のコロナウイルスの蔓延によってみんなが休日に外出しなくなった結果、消費が減る(物が売れない)という状況が起きています。
京都へのバスの値段もかなり安くなっていました。。
こういった価格の切り下げ競争が長く繰り広げられた結果、教科書で見たようなデフレが起きるということもなくはないのかなと思っています。
コロナウイルスの影響がかなり長期に渡ればの話ですがね。。
政府に求められる対策
コロナショックによって特に大打撃を受けたのは零細、中小企業だと思います。
余裕がない中で多くの税金を払わなければならないというと、それこそ破産や倒産につながるので、今の政権に求められるのはまずは減税でしょう。
そしていまは外出自粛でみんなが家にいることが多いし、この前の消費税の増税で経済がかなり落ち込んでいた時に今回のコロナショックです。
さらなるデフレの加速を防ぐために今求められることは、これもまた減税ですね。
家にいるということでネットショッピングやゲームなどをする人が増えているはずですので、その辺の産業の消費税と法人税を一時減税するなどの対応が必要なのかなと思います。
そうして消費を加速させる(この時期なら安く買える)ことによってデフレの脱却を図ってほしいです。
逆に安倍さんも今はチャンスで、この騒動の対応によっては大きな評価を得られる可能性もあります。
税収が減るので自分の給料を減額します!くらいの気概と器のでかさを見せれれば支持率も上がると思いますけどね(政治的パフォーマンスであって一人の給料下げたところで経済は回復しないけど)。



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