生き残る企業の選び方。CSV(共通価値の創造)とは?

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皆さんこんにちは。今回は、ハーバード大学経営大学院の教授であるマイケル・ポーター氏が唱えた概念であるCSV(共通価値の創造)について解説します。

 

端的に言うと、CSVは、企業にとって負担になるものではなく、社会的な課題を自社の強みで解決することで、企業の持続的な成長へとつなげていく差別化戦略のことです。

 

これについて以下で詳しくみていきましょう。

 

  1. コンサル界の重鎮、マイケル・ポーター
  2. CSV(共通価値の創造)とは?
  3. CSRとの違いは?
  4. CSVを実践する企業
  5. おわりに ~書籍紹介~

 

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1.コンサル界の重鎮、マイケル・ポーター

 

彼はアメリカ、ハーバード大学を卒業後、同大学の経営大学院の教授に就任。アメリカを中心に世界各地で多くの国や州の政府、および企業の戦略アドバイザーを務め、ファイブフォース分析やバリューチェーンなど数多くの経営戦略手法を提唱しています。

 

代表的著書である『競争の戦略』は経営戦略論の古典として今日でも多くの経営者や、経営学を学ぶ学生の間で利用されており、MBA取得者が選ぶお薦め経営学書ランキングで第1位を獲得しています。



今回は、彼が提唱したCSV(共通価値の創造)について解説していきます。

 

2.CSV(共通価値の創造)とは?

 

CSV(共通価値の創造)とは、Creating Shared Valueの略で、2011年にマイケル・E・ポーター氏とマーク・R・クラマー研究員が発表した論文『Creating Shared Value』(邦題『経済的価値と社会的価値を同時実現する共通価値の戦略』)で提唱された概念です。

 

彼がTED Talkでなぜ重要なのかを解説している様子はこちら

マイケル・ポーター: なぜビジネスが社会問題の解決に役立ちうるのか
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要旨のまとめ ↓

世界ではいまだ多くの社会問題が山積みになっています。今までも非営利組織やNGOが尽力して社会問題の解決に取り組んできましたが、いまだ根本的な解決に至っていません。

 

その要因は「資金力」にあります。何か大きな課題を解決するには非営利組織では活動の規模が小さく困難を極めます。

 

そのため、企業が社会問題の解決に取り組む必要があり、従業員の健康に資する等、社会問題の解決につながる取り組みの多くは長期的に見て企業の利益につながります(従業員が健康でなければ治療費等の負担が必要になる)。

 

TEDの動画は、このような趣旨です。

 

営利団体である企業にとって、一見非営利活動のように思える社会問題の解決は、企業にとっての利益、まさに本業たるポテンシャルを秘めているということを示唆しています。


3.CSRとの違いは?

 

CSRとは、Corporate Social Responsibilityの略で、企業が自社の利益のみを追求するだけではなく、すべてのステークホルダー(消費者や投資家に加え社会全体などの利害関係者)を視野に経済・環境・社会など幅広い分野での社会全体のニーズの変化をとらえ、それらをいち早く価値創造や市場創造に結び付けることによって、企業の競争力強化や持続的発展とともに経済全体の活性化やより良い社会づくりを目指す自発的な取り組みのことです。

 

CSVとの根本的な違いは、「継続性」であると言えます。

 

先述のように、マイケル・ポーター氏はコンサル界のドン的な存在であり、経営戦略を構想する第一人者なのです。

 

マイケル・ポーター氏は、企業に対して「社会貢献をしろ」といっているのではなく、社会問題の解決に勤しむことで利益を得、長期的に存続することができると言及しており、CSVはあくまで社会問題の解決を企業の経営戦略の一つとしてとらえるものであります。

 

一方でCSRは社会貢献活動のような、本業で得た利益を社会問題の解決に使う」ことであり、企業の経営戦略手法の一つとしてとらえられていなかった概念です。

 

こういった理由から、CSVはCSRの発展版として語られることも多いですが、マイケル・ポーター氏は、CSRとCSVは似て非なる概念として理解されるように明確な区別を促しています。


4.CSVを実践する企業

ここでは、CSVを実践する企業の例として、キリン株式会社のクラフトビールを挙げます。

 

キリンはCSVを3つの層(レイヤー)でとらえています。

 

1つめは、経営としてのCSV。世の中からどう評価されるのかにあたります。顧客から「世の中にこんなにいいことをしているなんて、いい企業だね」と思われるような、愛されるブランドになること。このブランドの成長が企業としての成長にも直結するのです。

 

2つめは、事業の中で実践するCSV。実際の事業の中でどうCSVを実践していくか。キリンならではの価値創造で、社会課題に取り組むとともに、経済価値を生み出します。

(↑はHPに書いてあった文言ですが、CSVという概念自体が事業として社会問題の解決に勤しむことを包含しているので、当然のことを言っているようで文章に若干の違和感がありますね)

 

そして3つめが、社員に還元されるCSV。顧客の期待に応えるおいしい商品を出した結果、世の中が元気になる。世の中によいことをしているという事実や、顧客に「いい企業だね」と評価されることが、従業員の誇りになって、また新たな価値創造のモチベーションにもつながります。      (引用 https://amd.tokyo/socialout/report/2018-06-29-kirin/

 

具体的にキリンは、「アルコール関連問題」に加え、「健康」「地域社会」「環境」の3つの社会課題の解決を目標にしています。

 

例えば、ホップの里とも呼ばれている岩手県遠野市では後継者不足の問題があり、農業の後継者が不足して収穫量が下がっています。このままいくと、国産ホップが足りなくなり、とれたてホップのビールもつくれません。

 

そこでキリンでは、農業の支援、遠野市の活性化に繋げるべく、農業法人をつくり、遠野市と協力してホップの生産を支援するプロジェクトを始めています。遠野市でホップの収穫祭を企画して、ホップの町からビールの町と呼ばれるようにブランディングすることで地域の活性につなげ、東京でもそれを伝えるようなお祭りをしたりしています。

 

また、長野県上田市では、かつて大半が遊休荒廃地であったところを、ワインのブドウづくりに適した環境であるということから、土地所有者や地域の方々、行政の方々の協力を得て、広大なワインヤードとして造成し直し、ワインの生産につなげる活動をしています。

 

耕作放棄によって失われつつあった希少な植生、里山の自然環境を保護しつつ、ワインの生産によって、地域経済にも寄与していくのが目的とのこと。

 

このような企業がステークホルダーに評価され、長期的に生き抜くことができる企業になるのだと思います。

 

このような企業に投資する投資手法は長期投資と呼ばれ、今後のトレンドになると推測されています。長期投資に関する記事はこちら ↓ ↓ ↓

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5.おわりに ~書籍紹介~

 

いかがでしたでしょうか。

 

マイケル・ポーター氏は、経営学を学ぶにあたり知ってなくてはならない人物の一人です。

 

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